移転価格税制について②

前回は、「移転価格税制」の概要をご説明しました。

税務調査が入った場合に、移転価格税制上定められた算定方法に従って取引価格を
再計算し、実際の取引価格とズレがあれば差額分を課税します。
この差額分の課税が追徴課税となりますが、追徴課税によっておきる移転価格税制の
問題があります。

その問題は何でしょうか。

移転価格税制の課税方法からその問題がわかると思います。

(2)移転価格税制の課税方法

例えば、実際の取引価格(C=移転価格)での利益がA社では20円、B社では80円となり、
それぞれの国における税率で法人税が発生し支払います。
ただし、税率は国ごとに異なりますので、もし、B社の所在国が税率の低い国であったと
すると、移転価格の設定次第で支払う税金が大きく変化します。

そこに、日本の税務当局が、あるべき取引価格(D=独立企業間価格)が実際の取引価格
(C)とは異なるとし、再計算された際、(D)によって生み出された利益がA社では80円
だったとし、(C)と(D)における利益との差分の60円に対して、追徴課税がなされます。

A社は、更生を受けた所得(利益)60円に対し追徴課税されますが、B社の所在国では、
日本で追徴課税された分の還付を受け取ることはできません。そのため、追徴課税された
部分は、A社(国内)とB社(国外)で二重で税金を納める形になってしまいます。
これが「二重課税」と呼ばれる問題になります。

「移転価格」の設定次第で、国外関連者間の利益配分が変わり、それぞれの所在国での
納税額が変わり、さらに課税所得の更生を受けると二重課税となってしまいます。
これらにより、適正な移転価格の設定がどれだけ重要かがわかるかと思います。

前回、国外関連取引における移転価格が適正か否かの判断の基準こそが「独立企業間価格」。
とご説明しました。

次回は(3)独立企業間価格の算定方法 についてご説明いたします。